慎重派の岸田首相としては異例の即断。吉田茂元首相の国葬を例に、その内意を探る。

2022年は歴史の大きな転換点では、と実感している人は多い。5月15日は沖縄返還50年、9月29日は日中国交回復50年で、元来、節目の年であった。
もう1つ、今年は1868年の明治維新から154年で、第2次世界大戦終結の1945年がその真ん中という巡り合わせだ。77年ごとに歴史の転換期が訪れるとすれば、明治以来の「戦前時代」の77年の後、77年間の「戦後時代」が終わり、次の「新時代」の入り口に立っていることになる。
その場面で2月にロシアのウクライナ侵略が始まった。世界は核兵器保有大国が非核の隣国に本格的な戦争を仕掛けるという軍事危機に戦後初めて直面した。他方、日本では7月8日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。首相経験者の暗殺は戦後77年で初めてである。
2週間後の22日、岸田文雄内閣は「安倍元首相の国葬を9月27日に実施」と閣議決定した。89年2月の昭和天皇の大喪の礼を別にすれば、国葬は67年の吉田茂元首相以来、戦後2例目となる。
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