中国では金融緩和も貸し出し増には結びつかず だぶつく資金は銀行間市場に滞留したまま
中国の銀行システムには十分過ぎるほどの流動性があるものの、借り入れ需要が低調なままで、銀行間の翌日物レポ金利は昨年1月以来の水準まで低下した。
翌日物レポ金利は27日に1%割れ。今月に入り94ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下しており、中国人民銀行(中央銀行)が供給している流動性の多くが市中銀行に滞留していることを示唆している。
中国当局は景気てこ入れを図るが、直面する難しさが浮き彫りとなっている。新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策や住宅危機の拡大で資金需要は低調なままで、潤沢な流動性が需要喚起につながっていない。
さらには、低水準の資金調達コストを利用して銀行がレバレッジ増や国債・政策銀行債への投資を進めている兆しもある。
中信証券の明明チーフエコノミストは、「過剰な資金が実体経済に行き渡るのではなく、金融システムに積み上がっている」と指摘。金融緩和で需要を押し上げることができない「流動性のわな」のリスクが高まりつつあり、コロナ感染が各地で見つかる中、7月の借り入れ需要は前月から鈍化したもようだと述べた。
原題:China’s Borrowing Cost Slump Shows Limits of PBOC Policy Easing(抜粋)
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著者:Bloomberg News
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