永守重信・日本電産社長--365日、朝から晩まで母に教わった全力疾走(下)

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 今年で67歳。が、二人の息子に後を継がせるつもりは毛頭ない。「あと20年は経営トップを続ける」。

永守は全力疾走の足を止めない。止められない。すぐ側で、母親が自分の一挙手一投足をじっと見つめているのだから。

本社20階の社長室。その東向きの窓から母の墓が見える。母もそこから社長室の永守を見ている。

時々、声が聞こえてくる。「おまえは人の2倍働いているか」。

体調が優れず、早めに帰ろうとすると、また、母の声。「もう帰るのか」。今はメールという便利なものがあるから、家でも仕事ができるねん。そんな言い訳をしようものなら、「とたんに音信不通や」。

いや、違うねん。母ちゃんな、トイレに行こうとしただけやで。かばんを置き、あたふた、またデスクに戻る永守なのである。=敬称略=

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(梅咲恵司 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年2月19日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

ながもり・しげのぶ
リスクに果敢に挑戦する。「安全第一の人生なんて、送る気はしない」。ゴルフの際、キャディのアドバイスを無視して池越えを狙う。結果は「池ポチャや」。失敗しても、「ネアカいきいき、へこたれず」。経営も右に同じ。「人生はサインカーブ。平坦ではなく、悪いことも、よいこともある。どうせなら、楽しまないと」。

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