リクルートが、育児など働き方に制約のある社員でも存分に能力を発揮できる企業へ変わろうと、矢継ぎ早に施策を打ち出している。
第2回:リクルートが「企業の同質化はリスク」と考える事情(5月27日配信)
第3回:リクルートは「28歳女性社員の憂鬱」を放置しない(5月28日配信)
第4回:リクルートが社員の「保育園探し」まで助ける必然(5月29日配信)
第5回:リクルート「管理職の暗黙条件」打破で見えた境地(5月30日配信)
リクルート「2030年に5割」への挑戦
2030年までに、グループの管理職における女性比率を50%に引き上げる――。
そんな目標を対外的に掲げ話題を呼んでいるのが、世界で人材ビジネスを展開するリクルートホールディングス(HD)だ。
政府は、2020年代の可能な限り早期に管理職など「指導的な地位」にある女性の割合を30%にすることを目指している。しかし、帝国データバンクが全国2万4285社を対象に実施した「企業の女性登用に関する調査」(2021年7月)では、女性管理職比率の平均は8.9%と、ゴールからは程遠い。
目標として30%を掲げる企業は複数あるが、リクルートHDのように男女比率の完全平等を目指すというのは、国内企業の中でも珍しい。
高い目標の設定に踏み切った背景には、その”下地”として同社グループが長年をかけて拡充してきたさまざまな取り組みがある。さらに直近では、管理職任用のあり方自体を問い直す試みや、男性育休取得の促進策など、女性本人の活躍をサポートする以外にも範囲を広げている。
目下、リクルートHDの業績は絶好調だ。2022年3月期は売上高、純利益とも過去最高を記録し、今期もそれを上回る増収増益を計画している。ただ、中長期的な事業成長に向けては明確な”危機感”があるのも事実だ。同社が男女平等などのD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に邁進するのにも、そうした危機感が関係している。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら