10期連続で最高益更新中。自社開発で29年までに100件超の竣工を目指す。
不動産大手のヒューリックが勢いづいている。「コロナ禍でのマイナスをはね返す高いパフォーマンスを発揮できた」。吉留学社長は前2021年12月期の業績をそう総括した。売上高4470億7700万円(前期比31.6%増)、営業利益1145億0700万円(同13.8%増)と高い伸びを見せ、営業利益以下は10期連続で過去最高を更新した。
ヒューリックは不動産の賃貸と売買を両輪とするが、好調なのが売買だ。21年6月には東京都江東区の日本ヒューレット・パッカード本社ビルを388億円で売却。12月にも東京都港区の赤坂スターゲートプラザを424億円で売却した。機関投資家の旺盛な不動産投資需要を捉え、営業利益に占める売却益は718億円と、前期比20%の伸びを見せた。
賃貸事業も堅調だ。都心部の好立地を厳選した物件保有が奏功し、前期末時点の空室率は0.6%(全物件平均)と低位安定。稼働が軟調なホテルを除けば、コロナ禍を蹴散らす業績だ。
今22年12月期も機関投資家の意欲が衰えず、低金利も継続するとの見立てから、営業利益は1230億円(前期比7.4%増)と連続最高益をうかがう。
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