中国をはじめ各国で実験の続く中央銀行デジタル通貨(CBDC)。「マネー3.0」が長足の進歩を遂げる中、明らかに後れを取っていた米連邦準備制度理事会(FRB)も、先日公表した報告書でいよいよ態度を明らかにし始めた。その内容は煮え切らないが、慎重になるのは理解できる。
FRBはデジタルドルの導入に極めて高いハードルを課している。中でも、期待されるメリットがあらゆるリスクを上回らなくてはならない、という条件は厳しく、これをクリアするのは至難だ。しかし、条件としては理にかなっている。というのは、既存の金融インフラはそれなりに問題を抱えてはいても、その中核機能は何十年という長期にわたって、ほぼ損なわれることなく維持されてきたからだ。設計の甘いデジタルドルが導入され、敵意ある外国勢力が「裏口」から侵入して、ドルを基軸とする国際金融システムを一挙に全面ダウンさせる悪夢のシナリオが現実になったらどうなるか──。
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