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米国利上げに緊張高まる金融市場 金融引き締めを取り巻く環境の大きな変化

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東京財団政策研究所主席研究員 早川英男(はやかわ・ひでお)1954年生まれ、愛知県出身。東京大学経済学部卒。米プリンストン大学経済学大学院にて修士号取得。77年日本銀行に入行後、長年にわたって主に経済調査に携わる。調査統計局長、名古屋支店長、理事などを歴任し、2020年4月から現職。著書に『金融政策の「誤解」』。(撮影:梅谷秀司)

米連邦準備制度理事会(FRB)は、1月の公開市場委員会で3月にも利上げを始める方向を明らかにした。これに対し、世界の金融市場では従来以上に緊張感が高まっているように感じられる。背後には、金融引き締めを取り巻く環境の大きな変化がある。

最大の変化は、言うまでもなくインフレの深刻さだ。ボルカー元議長のインフレ退治の後、米国は過去40年余り深刻なインフレに直面することがなかった。だからこそ、グリーンスパン時代からのFRBは、金融引き締め局面でも経済データと市場の反応を慎重に見極めながら、ゆっくりしたペースで利上げを進めることができた。こうしたFRBの市場に優しい姿勢は、熱すぎも冷たすぎもしないゴルディロックスと呼ばれ、引き締め局面で株高が続くことさえ少なくなかった。

しかし今回は、2%目標に達しなかった前回とは大きく異なり、消費者物価指数の上昇率は7%を上回った。昨年の今頃、サマーズ元財務長官がインフレ懸念を訴えた際、FRBは「物価上昇はあくまで一時的」と一蹴したが、その後もインフレ率は上昇を続け、FRBの説明は大きく信頼を損ねた。

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