待っていても賃上げはない 戦う労組を狙い撃ち?
──実績を上げている労組です。
中小が多い生コン業界は、原料調達価格、販売価格とも交渉力が弱く、ミキサー車運転手にシワ寄せが行く構造です。待遇改善へ企業内で労使交渉をしても、経営側は体力が弱く倒産しやすいので企業内組合では対応できません。業界横断的に組織される産業別労働組合が現実的です。
関生支部は、経営者に対し独禁法適用除外の協同組合の仕組みを生かして、大阪広域協組などの設立を促しました。協組ができて原料メーカー、ゼネコンに対する価格交渉力が強化され、結果として賃上げなど待遇改善を勝ち取りました。運転手にシングルマザーが多いのは、年収500万〜600万円、急な残業は断れるなど1人でも子育てできる賃金、時間が確保できていたからです。
──ウィンウィンの関係だったのに、潮目が変わりました。
17年の賃上げをめぐるゼネストに対し、広域協組は裁判所にスト中止の仮処分を申請します。理由は、威力業務妨害で犯罪行為。ストは労働法で認められた団体行動権で犯罪ではないのですが、さらに半年後、経営側は関生支部の委員長らを威力業務妨害で大阪府警に刑事告訴して受理され、大量逮捕が行われました。
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