右肩上がりの成長が続く漫画アプリ。出版社やIT企業をまじえた覇権争いで、勝ち残るのはいったいどこなのか。
韓国発のドラマとしてネットフリックスで大きな話題となった『梨泰院クラス』。この作品の配信元になったのは、「ウェブトゥーン」と呼ばれる漫画であることをご存じだろうか。
ウェブトゥーンとはスマートフォンに特化した縦スクロールで読めるフルカラーのデジタルコミックのこと。実は今、このウェブトゥーンが大きな注目を集めている。
IT企業や出版社が熱視線
大手出版社と漫画アプリを運営するAnd factoryは2021年8月、成長戦略の柱としてウェブトゥーンへの参入を発表。ほかにも、出版大手のKADOKAWAやスマホゲーム制作会社のアカツキ、電子書籍取次のメディアドゥなどもウェブトゥーンへ熱視線を向ける。
ウェブトゥーンへの参入に前のめりなのは、先駆者と言えるピッコマやLINEマンガの成功を目の当たりにしたためだ。この2つのアプリは、集英社や講談社など大手出版社もしのぎを削る漫画アプリの中で“圧倒的な2強”だ。両アプリの成長の背景には、スマホに適したウェブトゥーンがあると考えられている。
例えば、ピッコマで最大のヒット作品とされるウェブトゥーン『俺だけレベルアップな件』は、2020年に月間販売金額2億円を突破した。運営元であるカカオピッコマの金在龍社長は「スマトゥーン(ウェブトゥーン)と出版漫画(横読み)の販売金額は半々くらいだ」と明かす。
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