世界を狙う集英社「ジャンプ」の勝算 最新話を無料で大盤振る舞い

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国内の漫画市場は先細り。無料配信を武器に海外市場の本格攻略を目指す。

本誌:島 大輔
多くのヒット作を生み出してきたジャンプ。電子媒体でもさまざまな取り組みを進めている(4月21日撮影)

看板漫画雑誌の『週刊少年ジャンプ』や月刊『ジャンプSQ.』、さらに『ONE PIECE』『キャプテン翼』といった人気作品の単行本も無料公開──。新型コロナウイルスの感染拡大で、3月2日から臨時休校とするよう全国の小中高校へ要請が出されたことを受け、出版大手の集英社は、自社が運営するウェブサイトや漫画アプリで一部コンテンツの期間限定読み放題に踏み切った。

読者からの反響は大きく、特設サイトにはアクセスが集中し、一時はサイトがつながりにくくなるほどだった。休校が長期化したため、コンテンツの一部は5月初旬まで無料公開を延長。「物流が滞った東日本大震災の際にも、週刊少年ジャンプをウェブで無料公開して読者に喜んでもらえた。休校になった子どもたちのために、検討し始めてから数日で無料公開が決まった」(漫画アプリ『少年ジャンプ+』編集部の中路靖二郎副編集長)という。

週刊少年ジャンプは、いわずと知れた少年漫画誌の雄だ。1997年から長期連載され空前のヒット作となっているONE PIECEは、2020年4月に単行本の全世界累計発行部数が4億7000万部を突破した。直近では、19年4月のテレビアニメ放送開始をきっかけに、『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』が大ヒット。2月に発売された単行本の初版部数が150万部、シリーズ累計4000万部というすさまじい人気ぶりだ。

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