米国牛価格が1年で約2倍上昇 ミートショックの異常ぶり

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輸入牛肉の価格が高騰している。需給の両面からその要因を追った。

牛丼などに使用される米国産牛肉の相場高騰が長期化している(撮影:今井康一)

輸入牛肉の価格高騰、いわゆる「ミートショック」の影響が広がっている。

米国産のショートプレート(バラ肉)の卸売価格は、2021年4月以降1キログラム当たり1000円を超え、6~8月は1100円台になった。1年前は600円台で推移していたので2倍近くへの上昇だ。タン(冷凍品)の価格も21年8月に前年同月比で78.1%上昇となるなど、部分肉の価格は軒並み上がっている。

「卸売業者からは従来より2~3割高い値段を提示される。緊急事態宣言の解除で営業を本格的に再開する中、極めて厳しい」。都内で焼き肉店を経営する男性はため息をつく。外食大手では「牛めし」の松屋フーズが、関東圏以外の店舗での商品価格を数十円単位で引き上げた。「輸入牛肉の価格高騰の影響が大きかった」(同社広報)。

輸入牛肉の価格はなぜ高騰しているのか。まずは供給サイド。20年度に日本は国内生産量の約33.5万トンを上回る約59.1万トンの牛肉を輸入した。輸入量全体の43.2%は豪州、42.8%は米国からとなっており、この2カ国に依存している構図だ。そのため、両国からどれだけの量を安定した価格で買えるかが、日本にとって重要となる。

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