東電、農家への賠償で算定間違い 多発する不祥事
原発事故の被害農家への賠償が本来の額を下回っていたことが判明した。
福島第一原子力発電所の事故で被害を受けた果樹農家への東京電力ホールディングスによる賠償が、本来支払うべき金額を大幅に下回って決められていたことがわかった。東電によれば、10の農家について算定間違いが判明し、本来払うべき金額より合計で約500万円少なく見積もっていたという。
本来、114万円の賠償額が支払われるはずであるのに、わずか11万円しか提示されなかった農家や、賠償そのものが認められなかった農家もある。東電は「故意ではない」としているが、「きちんとした説明もなく不誠実だ」(梨農家)と怒りの声が上がっている。
算定の誤りは、被害を受けた農家が加入する、福島県農民運動連合会(福島県農民連)による指摘で判明した。
東電の賠償の仕組みでは、取引量の少ない月に野菜や果物の価格が高騰した場合や、逆に大幅に下落していた場合、原発事故前の過去3年間の平均単価を100%として、その100%という数値を当てはめ賠償額を一律に算定している。一方、通常の月については、実際の相場に基づいた数値である全国平均価格変動係数を適用して賠償額を決めている。
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