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「イノベーション」に不可欠な働く人の自立と自律 慶應義塾大学の鶴光太郎教授に「雇用改革」を聞く

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高度経済成長期の「昭和モデル」から抜け出せない日本。メンバーシップ型と呼ばれる日本的雇用慣行もその1つだ。

鶴光太郎教授は「人も企業も自己革新的になる必要がある」と述べた(撮影:尾形文繁)

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新卒の一括採用を行い働きの如何にかかわらず年功型賃金、職務無限定で社員の配置転換を繰り返す――。メンバーシップ型と呼ばれる日本型の雇用慣行はもはや通用しないといわれる。

では、会社で働く人はどう意識を変え、会社はどのような対応をしていくべきなのか。企業組織と雇用制度改革に詳しい鶴光太郎教授に聞いた。

 

――1990年代以降、日本は低成長時代に入り、2000年代になってからは、日本は賃金も上がらず、生産性も上がらない、イノベーションも起こらないということが言われました。最近は、優秀な若い人は海外に行くしかない、といった悲観的な議論が増えています。

生産性を上げるにはやはりイノベーションが重要だ。それにはこれまでの「メンバーシップ型」と呼ばれる日本型の雇用慣行を変えていく必要がある。

1980年代までは、経済がマクロ的に成長するという前提があった。戦後はアメリカというお手本もあり、電機・自動車が売れるというのがはっきり見えていてやるべきことは明確だった。

そういう昭和の時代に、メンバーシップ型と呼ばれる日本的雇用慣行が出来あがった。新卒一括採用で終身雇用・年功序列で賃金後払い型、という仕組み。皆で同じ方向を目指して走っていればよかった。会社の文化に合った同質的な人間を集めて、あうんの呼吸、以心伝心、暗黙知で仕事ができる。金太郎飴のような組織で、軍隊と同じで何も言わなくてもベクトルがそろう。

こうした組織と日本のモノの作り込みなどの特性が成果を上げて1980年代には向かうところ敵なしになった。会社も個人もせいぜい他者に出し抜かれないように、といったことしか考えなくてよかった。

金太郎飴組織の弊害

ところが、1990年代にはマクロで成長しない時代に入り、デジタル化、ICT化の動きにも乗り遅れた。こうなると、イノベーションを起こさないとやっていけない。これまでとは逆で、人と違うことを考えないと勝てない。

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