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立憲民主党が政権に近づく3条件 どう未来を切り開くか具体的な方向性の提示を

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次の総選挙では自民党への風が吹きそうだが、ここでこそ野党共闘の底力が試される。

立憲民主党を率いる枝野幸男代表(右)と福山哲郎幹事長(毎日新聞社/アフロ)

自民党総裁選挙は終わった。その間、メディアは4人の総裁候補にスポットを当て続け、埋没を危惧する野党、とりわけ立憲民主党から五月雨式に公約が出された。政権獲得後の初閣議での決定事項から始まり、中小企業支援、新型コロナウイルス感染症対策などが続く。またアベノミクスの検証作業の報告を発表し、分厚い中間層の創出を公約として新たに掲げている。

いずれも注目をとりあえず集めたいという願望が強く、深みのある審議を経て提示されたものとは言いがたい。これほど漠然とした方向性しかないのだから、総選挙後に政権を担う準備はなかったことが如実に表れている。「消費税5%」に至っては、財政上の手当てについても具体的ではなく、民主党政権へ逆戻りである。

とはいえ、希望の党結成時の民進党の解党騒動の流れを乗り越え、少数派として出発しながら、その後野党第一党の地位を確保した点は、やはり評価すべきである。

もちろん、現在の立憲民主党は、2000年代の民主党が党勢を拡大し、07年の参議院選挙で自民党を歴史的惨敗に追い込んだ段階とは比べるべくもない。新型コロナが蔓延するまで、「安倍1強」には到底かなわないとみたためか、政権公約の絞り込み作業に手がつけられていなかった。安倍・菅政権が新型コロナ対策に苦慮する中、党勢拡大の好機が訪れたとみたが、菅義偉首相の総裁選不出馬と後任4候補の論戦の盛り上がりで急に焦り始めたということだろう。

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