――最近取り組んでいる研究テーマや問題意識について教えてください。より現在的な問題への関心が高まっているそうですね。
以前、森嶋通夫先生(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授)が「経済学者には歴史家タイプと新聞記者タイプの2つがある」と言ったことがある。
歴史家タイプはいわゆる理論家肌で、経済の歴史にヒントを得ながら抽象化して理論を作っていく。新聞記者タイプは、現在の経済で何が重要かを考えながら理論を考える。
昔、小宮隆太郎先生(東京大学名誉教授)とみなで話していて、一人が「今ケインズの一般理論を読んでいます」と言ったら、「だけどケインズはケインズを読んで勉強したわけではないよね」と返されたことがある(笑)。実際、そのとおりでケインズはあの時代、まさに今何が重要かを考えて理論を作った。
僕も昔は歴史家タイプだったが、しだいに新聞記者タイプになっている。いま関心があるのは、やはり日本経済がなぜこんなに低成長になってしまったのかということだ。
――日本経済の状況をどのように見ていますか。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら