――清滝=モーアモデルが発表される少し前、ベン・バーナンキ(FRB元議長)やマーク・ガートラーも負債・デフレーションに関する有名な論文を発表しているそうですが、違いは何ですか。
バーナンキとガートラーの場合は、投資主体のバランスシートは過去に依存するというところを強調し、増幅作用を議論している。僕らの論文はそれに加えて、資産価格と担保の関係、負債のテコ作用、将来の期待を考慮したところが貢献だ(清滝=モーアモデルの詳細はインタビュー第1回)。
【ワンポイント解説】
ベン・バーナンキ
1953年生まれ。アメリカのマクロ経済学者で、リーマンショックをはさむ2006年〜2014年にFRB議長を務めた。アメリカ大恐慌や金融危機の研究で有名。
――清滝さんは、FRBの政策との関係でも有名です。どのような経緯で接点ができたのでしょうか。
「清滝=モーアモデル」では、金融と実物経済との相互関係がカギだという思いがあった。その後、さらに流動性や景気循環、金融政策に関連する論文も発表した。
これは、金融資産の流動性に着目した研究で、2007年〜2008年にかけての世界金融恐慌(いわゆるサブプライムローン危機からリーマンショックに至る世界的な金融危機)のとき、FRBの政策に結びついた。
――どのような内容だったのでしょうか?
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