ANA・JALと中堅の格差が浮き彫りに 夏休みも戻らぬ空の賑わい

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大赤字のANAとJAL以上に、中堅航空は綱渡りの経営に追われている。

航空2強とスカイマークなどの中堅航空各社とでは、財務基盤の健全性に大きな差がある(撮影:尾形文繁)

この夏も上昇気流には乗れないのか。

ANAホールディングスと日本航空(JAL)が、2021年4〜6月期決算を発表した。ANAの売上高は1989億円(前年同期比63.6%増)、JALは1330億円(同74.1%増)と、ともに大幅な増収となった。

ただ、国際・国内線とも本格回復には程遠い。コロナ禍の影響がなかった19年の同期間と比べると、売上高は両社そろって約6割減と低空飛行が続く。

航空機の早期退役による整備費の削減や人件費の抑制など、固定費の圧縮に余念はない。それでもANAは511億円、JALは579億円の最終赤字だった。

先行きの不透明感も強まっている。今22年3月期の黒字転換を掲げるANAは期首時点で、稼ぎ時の7〜9月に国内線の旅客数が19年比85%にまで回復するとみていた。しかしコロナの感染拡大が続き、お盆の予約数は同44%と計画から大幅に下振れている。5月に今期業績予想を非開示としたJALは、今回もやむなく予想の開示を見送った。

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