密の回避、婚姻組数の激減などが業界各社への大打撃に。縮小市場でどう生き残るのか。
「ワタベさんは本当に大変ですよね」──。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃したウェディング(結婚式)業界。その関係者でさえ同情するのが、海外ウェディングの先駆け的存在、ワタベウェディングだ。
1953年に京都市で貸衣装店として創業、海外挙式が一般的ではなかった70年代に米ハワイへ進出した。以来、米グアムやインドネシア・バリ、オーストラリア、さらには北米やヨーロッパなどに拠点を展開。国内ではホテル雅叙園東京とメルパルクの運営を手がけている。
コロナ禍による渡航制限で海外挙式ができなくなり、国内のホテルも訪日客需要が消滅。2020年12月期には117億円の巨額純損失を計上し、債務超過に陥った。今後は興和(本社・名古屋市)の支援で事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)による再建を目指すべく、6月に上場廃止となった。
大手結婚式企業のテイクアンドギヴ・ニーズ(T&G)も20年9月、海外・リゾート婚の子会社を売却した。18年に発表した長期経営方針では、国内市場成熟を踏まえ新たな成長ドライバーの1つとして位置づけていたが、コロナで吹き飛んでしまった。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
東洋経済ID 会員特典
東洋経済IDにご登録いただくと、無料会員限定記事を閲覧できるほか、記事のブックマークや著者フォロー機能、キャンペーン応募などの会員限定機能や特典をご利用いただけます。
東洋経済IDについての詳細はこちら