縮むホテル挙式で健闘する「ハイエンド開拓」の勝ち組 単価600万円を超える「あのホテル」の着眼点

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縮小市場でどう戦うか。ホテル各社が狙うのが単価の底上げだ。

「結婚式市場の縮小傾向は続き、もう戻ることはない」「今後はどれだけ(列席人数などの)規模を保てるか」──。コロナ禍の今、ホテル関係者からは異口同音に厳しい声が聞かれた。

2020年春以降、数多くの結婚式が中止・延期となった。結婚式事業を営むホテルは、急きょキャンセル料を無料にしたり、秋口や翌春に式の日程を再設定したりと、対応を急いだ。とはいえ、いつまでも式を延期できない新郎新婦もいる。規模を見直し、近い親戚のみで行う少人数の食事会形式に切り替える例も相次いだ。

そもそも、ホテル婚は新型コロナの感染拡大以前から厳しい。結婚式や披露宴を行わない「ナシ婚」カップルの増加などを背景に、市場全体の縮小傾向が続く。

「ゼクシィ 結婚トレンド調査」によれば、国内で実施されている披露宴の会場に占めるホテルのシェアは、ゲストハウスや専門式場に押され縮小が続く。まさに消耗戦に突入している。

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先細る市場でどう戦うか。ホテル各社が狙うのが単価の底上げだ。都内でメジャーな会場の1つ、ホテル椿山荘東京は特徴である和洋折衷の料理を見直し、メニューを絞り込むなど刷新。演出やアイテムの品質も改善し、単価、利益の増大を目指す。「右肩下がりのトレンドに歯止めはかからない。収益モデルを再構築する」(運営元・藤田観光の野﨑浩之取締役)。

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