国内外の企業に対するサイバー攻撃は後を絶たない。いざというときの備えを怠ると痛い目に遭う。
「重要性は理解しているが、何から手をつければいいのか」「収益を生み出す領域ではないため、リソースを割くのが後回しになっている」。サイバーセキュリティーについて話を聞くと、企業の幹部や経営者からこんな声が聞かれる。
だが、対策を後回しにすると痛い目に遭う。危機は現実に、目の前に迫っているからだ。日本の企業や組織を標的にしたサイバー攻撃はここ数年、非常に多く報告されている。警察庁などの資料によれば、企業などへの不正アクセスの認知件数は2019年に前年比で倍増。20年も高水準だ。
一方、偽装されたURLにアクセスさせ個人情報を抜き取ろうとする「フィッシング」は19年、20年と届け出件数が急増している。これは個人への攻撃だが、企業においても社員の不注意からコンピューターウイルスへの感染を引き起こすなどのケースは多い。
日本企業の意識は低い
脅威が増す背景には、新型コロナウイルスの感染拡大でリモートワークやDX(デジタルトランスフォーメーション)が急激に普及したことが挙げられる。
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