「住宅化」も辞さぬ生存策 苦境のビジネスホテル

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お得意様の訪日客と出張客が激減、食いぶちを模索し大胆な業態変更も。

「ホテルグレイスリー新宿」はコロナ前、7〜8割を外国人客が占めた

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2020年はビジネスホテルにとって転落の年だった。コロナ禍による緊急事態宣言中の休業などが響き、とくに前半の稼働率は過去に類を見ない下落幅となった。

ビジネス利用主体の「ワシントンホテル」と観光利用主体の「ホテルグレイスリー」を運営する藤田観光の部門売上高(20年1〜9月、宿泊売り上げ)は前年同期比73%減の61.5億円に落ち込んだ。

同じ時期、比較的影響の小さかった「ドーミーイン」(共立メンテナンス)ですら、稼働率は同34.4ポイント減の57.2%だった。

21年に入ってからも、状況は好転に至らない。長引く緊急事態宣言の影響で、業界大手の東横インは営業を集約し、2月時点で国内21店舗を休業中(コロナ療養用の貸し出しを除く)だ。阪急阪神ホテルズも都内や大阪のホテルを一部休業し営業を集約している。そのほかにも多くのチェーンが店舗の休業を決めている。

業界関係者は「人の移動が止まっている。ビジネスホテルは値下げしても埋まらない」「営業中の店舗は20年6月の移動制限があったときのような低調」と語る。インバウンドの獲得を目的に出店したホテルなどは、国内客の獲得に切り替えることも難しく、臨時休業が長引くケースが見られる。

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