伊藤忠「2つのトップ人事」に岡藤CEOの存在感 変革のカギ握るファミマの社長人事

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「長期政権」となりつつある岡藤会長CEOは伊藤忠をどう成長させていくのか。

「長期政権」となりつつある岡藤会長CEOは、伊藤忠をどう成長させていくのか(撮影:梅谷秀司)

大手総合商社の伊藤忠商事は、経営の底上げを図るために首脳陣の大胆な交代に打って出た。

同社は1月13日、4月1日付で石井敬太専務執行役員(60)が社長COO(最高執行責任者)に昇格すると発表した。鈴木善久社長COO(65)は代表権のない副会長に就く。2018年4月に社長COOに就任した鈴木氏は、在任わずか3年で社長を退く。

石井氏は化学品部門が長い。伊藤忠では繊維や食料といった生活消費関連事業がいわば花形で、化学畑は目立つ存在ではない。

だが、エネルギー・化学品カンパニーは蓄電池や再生可能資源由来のバイオマスプラスチック事業に参入するなど、伊藤忠が重視する環境配慮型ビジネスを手がけており、そうした経験が買われて今回の起用に至ったものとみられる。

わずか30分の発表会見で存在感を放っていたのは、姿を見せなかった岡藤正広会長CEO(最高経営責任者、71)だ。石井氏が「(岡藤)会長も言っているように……」と話すなど、鈴木氏と石井氏は会見中に合わせて6回も岡藤氏の名前を挙げて、伊藤忠の方向性や社長就任の経緯について説明した。岡藤氏は会長CEOとして続投する。

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