トヨタの新型FCV、販売10倍増の高い壁 脱ガソリン車の流れが追い風になるか
脱エンジン車の流れが加速する中、トヨタは究極のエコカー普及に挑む。
「トヨタの持てる技術をすべて注ぎ込み、フルスイングで開発した」
トヨタ自動車は12月9日、燃料電池自動車(FCV)の新型「MIRAI(ミライ)」を発表し、国内での販売を開始した。開発責任者の田中義和チーフエンジニア(CE)は6年ぶりの刷新となる2代目ミライの完成度に胸を張った。
FCVは燃料として積んだ水素と空気中の酸素を化学反応させて電気を生み、駆動モーターを動かす電池自動車だ。走行時には水しか排出せず、乗用車で3分ほどの短い充填時間で長い距離が走行可能なことから、「究極のエコカー」と呼ばれる。トヨタはいち早くこの技術に注目し、2014年に世界初となる量産型FCVとして初代ミライを発売した。
2代目の開発に際して、注力したのが航続距離の延長だ。電気を生み出す燃料電池(FC)システムの刷新で燃費を10%向上。搭載する水素タンクも2本から3本に増やし、水素搭載量を20%拡大させた。これにより、初代で650キロメートルだった航続距離は2代目で850キロメートルへと3割伸びた。また、プラットホーム(車台)を刷新し、走行性能や乗り心地も向上させている。
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