今年のノーベル賞受賞者は現実と理論に多大な貢献 スタンフォード大の生ける伝説が満を持して受賞

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今年のノーベル経済学賞受賞者が、米スタンフォード大学のロバート・ウィルソン氏(83)とポール・ミルグロム氏(72)に決定。今回は特別編として、気鋭の研究者3氏に話を聞いた。

①受賞の決め手となった研究はどのようなもの?(安田洋祐氏 談)

受賞理由となったオークション研究の中身について、「共通価値」と「相互依存価値」という2つの観点から説明しよう。まず前提として、この分野では以前にもノーベル賞受賞者が出ている。ただし、ウィルソン、ミルグロム両氏は、彼ら以前のオークション研究がなしえなかった、より現実的な状況の分析を可能にした。

ウィルソン氏は、「共通価値」を持つ財に関するオークションの分析に取り組んだ。共通価値とは、誰が手に入れたとしても同じ価値を事後的に得られることを指す。例えば、原油の採掘権だ。採掘するのが誰であろうと、そこに埋まっている原油自体に変化はない。

だが、原油の量や質についての推測では、見解が割れるかもしれない。各人の持つ情報の量や質はそれぞれ異なり、入札者は採掘権の価値を過小、あるいは過大に評価している可能性があるのだ。

このとき重要なキーワードとなるのが、「勝者の呪い(ウィナーズカース)」だ。共通価値の下では、オークションの勝者=採掘権の価値を最も高く楽観的に評価した者、ということになり、落札するやいなや、「他人が低い評価をしている採掘権を高額で買ってしまったのでは」という不安にとらわれる。ウィルソン氏は、これを避けるために参加者がどのように振る舞うかを分析した。

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