──6月に店舗営業が再開した後は50%オフや70%オフなどの大規模なセール販売をしました。前期からの滞留在庫や、コロナによる店舗の臨時休業で膨れ上がった在庫は圧縮できた一方、ブランドイメージが悪化したのでは。
ブランドイメージは相当傷ついたと思うが、現実的には在庫処理を優先せざるをえなかった。悪化したイメージをマジックのように回復する手段もない。古い在庫を処分して新しいものに切り替え、新しい商品は徹底して(定価販売の)率にこだわって丁寧に売る。こういう地道な作業をするしかない。
今後は売り方を変える。これまでのように広く浅くブランドイメージを打ち出すのではなく、「ブランドの顔」になる商材を作る。「このブランドといえばこれだ」という基幹商品や定番商品を作る戦略に切り替えて、品番数は大幅に削減する。
販路は直営店を増やして、ブランドの世界観をより能動的に発信する。ブランドを展開するうえで、直営店の強化がコア戦術となることはゴールドウイン時代に経験済みだ。今期の業績が厳しい中でも、東京・外苑に「ポール・スチュアート」、原宿には「クレストブリッジ」の直営店を出す。よい物件が出てきて確実に利益を出せるメドが立つ立地であれば、投資していきたい。
百貨店の理屈ではもう商売しない
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