日本郵便・社員大量処分の杜撰 現場に厳しく、幹部に甘い

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かんぽ不適正販売の処分が進行中だが、現場からは不満の声ばかり聞こえてくる。

本誌:山田雄一郎
写真:9月10日付「一般指示」と翌11日付「緊急通知」。お詫び行脚開始を取締役会決議する前日、かつて一世を風靡した手法が密かに葬られた

9月10日、全国の郵便局にある“指示”が出た。タイトルは「金融商品の販売時における税制の説明等の対応」。指示を出したのは、日本郵便本社の保険販売に関連する3人の部長だ(上写真・下)。

添付資料の「不適正なケースの具体例」を見て、かんぽ生命保険の契約を媒介してきた日本郵便の社員は思わずのけぞった。そこに書いてある具体例の多くが、かんぽや日本郵便の本社・支社が最近まで正しいとしてきた話法そのものだったからだ。

9月10日付の一般指示に添付された「不適正なケースの具体例」。その多くはかつて推奨された話法だった(撮影:梅谷秀司)

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「相続税が下げられる節税プランをすすめます」は相続税対策ニーズを喚起している、「相続税を減らせる」は税制の専門的な内容を断定している、「相続税対策に保険を利用している人が多い」はニーズがない人に提案している、「無対策で相続税が多くかかった人がいる」は第三者話法を使ってニーズ喚起しているとして、不適正だとされた(下表左)。

2018年4月付の研修用資料で、「生前贈与を含む生命保険を活用した相続対策提案」(下写真)というものがある。冒頭の指示にある「不適正なケースの具体例」に照らせば、2年半前の多くの話法が不適正だったということになる(上表)。

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