農機業界の巨人との戦い クボタが大型機投入で挑む

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強みとしてきた東南アジアでの成長に限界。狙うは欧米市場の開拓だ。

クボタが発売した新型トラクターのM8。大規模農家の多い米国ではこれでも中型になるという

農機大手のクボタが欧米市場で攻勢に出ている。

今春に投入した新たなトラクターの製品名は「M8」。日本国内の主力製品は20~40馬力程度だが、M8は最大210馬力。タイヤだけでも大人の背丈ほどの大きさがある。カナダの農機メーカーからOEM供給を受けて発売したM8は、クボタ史上、最も巨大なトラクターだ。

北尾裕一社長は「このサイズになると、ジョンディアのドル箱とも競合する。ここからはいよいよガチンコ勝負になる」と語る。

ジョンディアとは、世界最大の農機メーカー、ディア・アンド・カンパニー(本社・米イリノイ州)が展開する大型トラクターのブランド名だ。同社の直近の年間売上高は4兆円を超え、クボタ(1.9兆円)の倍以上。最大地盤の米国に加え、欧州でもトップシェアを誇り、「農機業界の巨人」とも称される。

クボタが世界最大市場の米国に販売会社を設立し、本格的に進出したのは50年近く前の1972年。しかし、現地で求められるのは、広大な農地で効率よく作業できる大馬力のトラクター。クボタの数十馬力のトラクターでは、商売にならなかった。

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