給付金騒動から得た教訓 自治体や住民が大混乱
現場が困惑した原因は「世帯」概念をめぐる認識のズレだった。
「神戸市は順調に作業が進んでいます。申請率94%、給付率96%。ほぼ振込完了です」。6月26日、久元喜造市長はツイッター上で胸を張った。
全国民に1人10万円を給付するという前代未聞の特別定額給付金。事業費総額は12兆8802億円で、約1458億円のコストをかけて配布する。
給付作業は市区町村が担い、申請書の発送や住民からの問い合わせに答えるコールセンター業務、申請書のチェック作業は外部の委託業者と分担した。
神戸市では4月初旬に印刷業者を選定し、コールセンター要員も含めてスタッフ300人を確保。人材派遣会社のパーソルテンプスタッフと組み、送り返されてきた申請書の内容を、スタッフが手作業で入力した。
ただ、神戸市のようにスムーズにいった自治体は少ない。給付金申請は郵送とオンラインの2種類が用意されたが、7月7日時点でオンライン申請を受け付けていた1709自治体のうち、101の自治体がオンライン申請を取りやめた。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら