契約書なし、出入り自由。新しい組織をつくりたい スペシャルインタビュー/吉本興業ホールディングス 会長 大﨑 洋
全劇場が閉鎖に追い込まれ、前期は大赤字を出した吉本興業。だがトップはあくまでも前向きだ。
──6月19日に5つの劇場を再開することになりましたが、それまで3カ月以上閉鎖していました。
全劇場を閉めたのは108年の歴史の中で初めてでしたが、社員や芸人さん、その家族の安全・安心を守ることが最優先です。それを確保したうえで、一日も早く全劇場を再開したい。
NGK(なんばグランド花月)をはじめとした劇場は、お客様、芸人、スタッフや社員が集まる大切な場だと思っています。
──劇場を閉鎖したことで、今年の前半だけで20億~30億円の損失が出るという話があります。
前期(2020年3月期)は50億円ほどの赤字です。劇場を再開しても当面は客席の間隔を空けて、収容定員の12%前後しかお客様を入れることができない。だから今期の業績もかなり厳しい状況で、来期まで赤字が続いてしまうかもしれません。
──100億円程度の銀行融資枠を確保したそうですね。
うちの財務担当が頑張って枠を確保してくれた。あとは10~20年かかってでも返していけばいい。非上場にしたときに400億円弱の借金をしましたが、ビルを売却したりしながら何とか返すことができました。100億円くらい頑張れば返せると思います。今は売るビルがないので大変ですけど(笑)。
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