老舗「レナウン」が経営破綻、アパレル淘汰・再編の序章 親会社「山東如意」は再建に見切り

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スポンサー探しは難航が予想される。

レナウン本社が入居するビル(東京・江東区)。レナウンは店舗の営業を続けながら、今後1カ月程度をメドにスポンサーを探す方針だ(撮影:今井康一)

創業110年を超える名門アパレル企業の「最後」はあっけなかった。

高級紳士服「ダーバン」や「アクアスキュータム」などを展開するレナウンは5月15日、東京地方裁判所から民事再生手続き開始の決定を受けた。負債総額は約138億円。今後1カ月程度をメドにスポンサーを探す方針という。

レナウンの単体売上高の6割弱は百貨店向けだが、新型コロナウイルスの影響で客数が急減、一部店舗の臨時休業も強いられた。3月の既存店売上高は前年同月比42.5%減、4月は同81%減まで落ち込んだ。

レナウン社員にとって民再法適用申請は寝耳に水だったようだ。ある幹部は「5月15日の夕方まで民事再生の事実を知らされなかった。まさか数カ月でこんな展開になるとは」と語る。

レナウンは1902年に大阪で繊維卸売業者として創業。当時珍しかったカタカナ表記で顧客に訴求して販売を拡大し、アパレル界の盟主となった。しかし、バブル崩壊後の90年代以降、業績は下降線をたどる。百貨店の低迷に加え、ユニクロなど大手SPA(製造小売業)の台頭も直撃した。

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