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地方が相次ぎ反旗を翻す「官邸案件」の不合理性 「政治の司法化」が日本でも姿を現し始めた

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「表現の不自由展」などをめぐる地方と国の対立には共通の構図がある。

「あいちトリエンナーレ」補助金不交付で文化庁に不服申し出をすると発表した大村秀章知事(毎日新聞社/ アフロ)

1990年代に規制緩和、地方分権改革、省庁再編などの大規模な統治機構改革が行われたが、そのときの標語の1つが「事前規制から事後チェックへ」であった。事業者への行政指導、国と地方の非公式のやり取りをできるだけ簡略化し、処分は客観的ルールの下で行い、問題があれば処分後の市場競争や事後評価、さらには裁判などの過程で解決するというものである。

行政の事前調整が過剰であるという事態は、80年代以降の改革の一大テーマであった。だが、2010年代になると、改革で作られた制度を運用する時代に入っている。それは1つには、改革が政治・行政・司法に対して、一通りなされたからである。だがもう1つには、政権交代が09年と12年に起こったからである。もはやかつての自民党長期政権のように、10年先も与党の枠組みが変わらないことを前提に政策を作り上げることはできない。衆議院議員の任期である4年の間に、とりあえずの結果を出さなければならない。今となっては、時間のかかる改革に着手する余裕などなくなっているのである。

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