関電首脳に多額の闇マネー、原発再稼働にも甚大打撃 原発工事の受注企業関係者から金品受け取り

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経営トップらが地元有力者から多額の金品を受領。贈収賄の疑いもある。

9月27日、大阪市内の本社にて開いた記者会見で頭を下げる関電首脳。手前が岩根社長。同社は10月2日にも会見を行った(共同)

関西電力の会長や社長、幹部社員らが、原子力発電所に関連した工事を受注していた企業に関係する人物(故人)から、10年以上にわたって多額の金品を繰り返し受け取っていた事実が判明した。

9月27日以降の関電の発表によれば、2011年から18年までの8年の間に、岩根茂樹社長ら20人に総額3億2000万円相当の金品が渡っていた。これとは別に、八木誠会長は原子力事業本部長だった06年から10年にかけて金品を受け取っていたと明らかにした。

岩根社長らは「金品は一時的に預かっていたもの」としたうえで、返却手続きを進めているという。だが、国税当局から贈与と見なされ、所得税の修正申告を余儀なくされた。このことは、電気料金を原資とした原発マネーの一部が、建設業者から発注者である関電の幹部に還流した疑いがあることを意味しており、会社法の贈収賄に該当する可能性も浮上している。

関電は現在、原発再稼働に向けての安全対策工事や使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地探しを進めている。原発立地地域の企業に絡む不明朗な資金の存在が明るみに出たことで、今後の事業運営に重大な影響が生じかねない。

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