専門店の苦境が目立つイオン、「連邦制経営」に生じたひずみ スポーツ専門店、アパレル会社…
ショッピングセンターの売り場を形成する専門店も改革を迫られている。
セブン&アイ・ホールディングス(HD)と同様に、イオンも多角化を志向してきた。M&A(合併・買収)による拡大を続け、今やグループ傘下の企業は322社(今年2月時点)に上る。
縦割りで硬直的な組織のセブン&アイ・HDとは違い、イオンは緩やかな連帯による「連邦制経営」を標榜する。旧ジャスコ時代に入社した人材をグループ会社の幹部として散らばらせ、「一社一社が独自に強くなれば全体が強くなる」という考えの下、子会社の自主性を重んじてきた。
多角化を進めたとはいえ、あくまで祖業のスーパーマーケット(SM)と総合スーパー(GMS)を最重視してきた。グループの稼ぎ頭の1つで大型ショッピングセンターを運営するイオンモールもGMSを軸にして専門店を配置する。
だが、現在のイオンの収益構造を見ると、その戦略にひずみの生じていることがわかる。2018年度決算では、GMS事業とSM事業は全体営業収益の7割超を占めるが、営業利益への貢献度は17%にすぎない。イオンは、イオンモールなどのテナント収入からなるデベロッパー事業と、イオン銀行などの総合金融事業で営業利益の過半を稼いでいる。
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