欧米製薬の戦略に新潮流、規模ありきの買収は古い 次世代の創薬技術を標的にした案件が増加
メガファーマは次世代技術の獲得を活発化。日本勢に対抗策はあるか。
製薬業界の買収ラッシュが止まらない。
6月24日、製薬世界8位の米バイオ大手アッヴィが、アイルランド製薬大手のアラガンを買収すると発表した。両社の売り上げを単純合計すると約5.2兆円となり、ロシュ、ファイザー、ノバルティスという不動の3強に迫る業界4位に躍り出る。
買収額は630億ドル(約6.8兆円)。アッヴィの売り上げの約6割を占める関節リウマチ薬などの治療薬「ヒュミラ」は、米国で後発薬が2023年に参入する。これで予想される収益の落ち込みを補完するのが最大の狙いだ。
アッヴィに先立ち今年1月にも、業界の序列を大きく変えるM&Aが発表された。米ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)による米バイオ大手セルジーン買収だ。BMSは小野薬品工業とがん治療薬「オプジーボ」で提携し業績は堅調。セルジーンを取り込み、売上高約4兆円となる。
セルジーンの買収金額は740億ドル(約8兆円)で、同月に完了した武田薬品工業のシャイアー買収(6.2兆円)を超す。
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