北朝鮮幹部人事を読み解く 金正恩氏に新たな称号

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日本の国会に当たる最高人民会議。指導部の世代交代が行われ、指導体制の変化も見られそうだ(KNS/KCNA/AFP/アフロ)

北朝鮮で4月11〜12日に開かれた最高人民会議(国会に相当)は2000年以来の複数日開催となった。北朝鮮メディアによれば、会議初日には政策決定機関である国務委員会の人事のほか、憲法の修正、予算が議題になった。憲法修正の詳細は明らかにされていない。

議題はこれまでの最高人民会議とほぼ同じだ。国家予算の約16%を国防に、約48%を経済開発に配分した点も過去5年間ととくに変わりはない。しかし、前年度における指導部の業績の総括に加え、新年度に向けた計画が示されなかった点が例年と異なる。

また北朝鮮メディアは、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の国務委員長再任について、「敬愛する金正恩同志を全朝鮮人民の最高代表であり、朝鮮民主主義人民共和国の最高指導者である国務委員会委員長に高く推戴する」提案がなされた、と伝えている。

「全朝鮮人民の最高代表者」という称号が使われるのは、おそらく今回が初めてだ。金日成(キムイルソン)主席時代に「国家主席」の権限を初めて規定した1972年憲法の文言に倣ったものかもしれない。72年憲法の第89条には、国家主席は国家元首であり、北朝鮮の「国家主権を代表する」と記されていた。

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