IT業界に精通し、アップルを描いた著書『沈みゆく帝国』がある岩谷氏。留学生との生活の中で、米国の価値観を再認識する出来事があった。
私たち夫婦に子どもはいないのだが、昨年8月、ドイツからの交換留学生として15歳の女子高校生・フェイがわが家にやってきた。
期間限定でティーンエージャーの親役を務めるにはどうすべきか。私も夫も高校時代は、都心から離れた郊外で暮らしていたため、今どきのサンフランシスコの高校生活はまるで想像がつかなかった。
事前には、週末はいつもより遅くまで眠っているとか、好きな本は『ハリー・ポッター』であるとかしか知らず、性格やこれまでのしつけなどはわからなかった。
フェイとの生活が始まる前、夫とは週末の門限や、彼氏ができたときのデートの決まり事、飲酒や薬物についての伝え方などあらゆることを話し合った。
最も頭を抱えたのは想定外のことだった。わが家に来たばかりのよそよそしい雰囲気も抜けないある日、へそ出しルックで高校に出掛けようとしていたのだ。露出度の高い服装は校則違反であり、また彼女の高校は都心の少し治安の悪い場所にある。にもかかわらず、ドイツの小さな町で育ったフェイは無頓着にブラウスを着ていた。
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