職場ストレス死 過労死、重責自殺、孤立無援…
NHKと電通で起きた過労死事件。米国でも有害な職場環境が原因で年約12万人が命を落とすという。政府や経営者は何をすべきか。
「子どもを失うのは、親にとって一番の地獄です」。NHK記者だった娘を過労死で亡くした佐戸(さど)恵美子さんは、そう心情を吐露する。2013年7月、NHK首都圏放送センターの記者、佐戸未和さんがうっ血性心不全で亡くなった。享年31。遺族は渋谷労働基準監督署に労災申請を行い、翌年5月、長時間労働による過労死だったと認定された。
未和さんは亡くなる直前、都議会議員選挙や参議院議員選挙の報道に奔走し、1カ月の時間外労働が労基署の認定で159時間超、遺族側の調査では200時間を超えていた。1カ月100時間の「過労死ライン」を大幅に上回る水準だ。「200時間を超える時間外労働が野放しで、明らかに人災。娘はこの年の9月に結婚する予定だった。孫の面倒を見るのがこれからの楽しみだったのに」(母親の恵美子さん)。
高止まりの労災件数 電通ショックで国動く
厚生労働省によると、16年度に過労死や過労自殺として労災認定された件数は191件。この10年間、毎年200件前後と高止まりが続いている。また、うつ病など精神疾患による労災の請求件数は右肩上がりで増加しており、メンタルヘルスの問題は深刻化している。
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