有料会員限定

AI万能論のわなにはまらない(5) 言葉に意味があることをAIはわからない

✎ 1〜 ✎ 154 ✎ 155 ✎ 156 ✎ 最新
拡大
縮小

国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子氏は、AI(人工知能)は意味理解(読解力)に限界があるために、人間の能力を上回るAIが完成したり、AIが自らの力で人間の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が到来したりすることはないと断言する。

理論的には、AIはコンピュータ、すなわち計算機にすぎず、四則演算(正確には足し算と掛け算)しかできない。したがって、AIは数学的にしか用いることができない。数学的言語を用いて処理できるのは、論理、確率、統計の三つだけなので、人間の知能をこの三つに還元することができると証明できないかぎり、シンギュラリティは来ないし、人間の知能に匹敵する真のAIも生まれないのである。

証明としてはこれで十分なのであるが、新井氏は、AIが意味を理解できないということについて、音声認識応答システムSiri5でレストランを探すという実例に則して説明する。

〈では、Siriはどのくらい賢いのでしょう。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内