花王が買収した化粧品以外の旧カネボウ事業は着実に再生している。
花王がカネボウから買収したのは化粧品部門のみ。その再生には今なお苦心しているが、実は化粧品以外の旧カネボウ事業は復活を果たしている。
カネボウの粉飾決算が発覚し、解散してから10年。かつて「ペンタゴン経営」と称賛されたカネボウの主力5事業は切り売りされ、現在はすべてほかの会社の傘下にある。
祖業の繊維は北陸の名門繊維企業セーレンが買収。「余り物」と呼ばれた日用品・薬品・食品の3事業はクラシエが担っている。
「10年かけてやっと普通の会社になることができた」。そう苦難の歴史を振り返るのは、今年1月に社長に就任したクラシエホールディングスの岩倉昌弘氏だ。
再建当初、大株主は投資ファンドで、いつ身売りされるかわからなかった。カネボウの社名を使うことができず、取引先からも相手にされない。不安で退職する社員も続出した。当時、日用品事業のトップだった岩倉氏は前社長の石橋康哉氏(現副会長)とともに、カネボウの経営を反面教師にして再建に奔走した。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら