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自民党政務調査会長 岸田文雄 次期首相候補、リベラルの旗印は本物か

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今やポスト安倍に最も近いとされる政治家だ。政権を奪取するのか禅譲狙いか。改憲論議が進む中、リベラル派としての発信力も問われる。

(ノンフィクション作家:塩田 潮)写真:写真:初めての党4役。官邸の影響力が強い中での党運営は難しい。党内の声をどう政策に生かすのか、調整力に注目が集まる

広島東洋カープが2017年9月18日、セリーグ優勝を遂げ、広島市民は歓喜の声を上げた。1カ月半前の8月3日、安倍晋三首相は内閣改造・自民党役員人事で広島が地元でカープファンの岸田文雄外相を党4役の政務調査会長に起用した。「ポスト安倍 岸田氏先行」と4日付の読売新聞朝刊が報じる。岸田は「ポスト安倍リーグ」の一番手に躍り出た。

その後、解散・総選挙となる。投開票の10月22日の夜、岸田は各局のテレビ出演で18年9月の総裁選への対応について聞かれた。

「安倍首相を擁して総選挙に勝った。当然、これからも支える。だが、総裁選は1年も先の話」

それ以上は一言も口にしなかった。堅実で安全運転の岸田らしい慎重発言だが、次期総裁選には和戦両様の構えでは、と映った。

18年、総裁選の年を迎える。

「政治家として、より一段上を目指すべく、努力していきたい」

1月6日、岸田は読売テレビの番組で思い切った言葉を発した。

17年8月の人事は、森友・加計疑惑や東京都議選惨敗で逆風に見舞われた安倍が、人心一新による危機突破を狙った挽回策だった。

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