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神戸製鋼、偽装の病巣 品質を犠牲に利益追求

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神鋼の偽装の背景には何があるのか。製造業で同様の不祥事が相次ぐのはなぜなのか。

13日の記者会見で謝罪した川崎博也会長兼社長(左)。米司法省も調査を開始した(撮影:大澤 誠)

栃木県真岡市にある神戸製鋼所の真岡製造所。ここは自動車用や飲料缶用のアルミ材の圧延生産を一手に担う、同社アルミ事業の主力工場だ。

昨年の取材時、工場内では轟音と熱気を放ちながら、巨大な熱延ローラーの間をアルミの原板が何度も往復していた。しだいに薄く延ばされ、厚さ3ミリメートル以下のコイルになった後、出荷されていく。神鋼は、ボンネットやルーフなどの車用パネル材で国内シェア約5割と首位を走る。

「要求品質の高い日本車メーカー向けに30年前から製造してきた実績がある。成形や接合などの技術開発も顧客と一緒に長年やってきた」。谷川正樹所長はそう語っていた。

「自動車軽量化ニーズで需要は右肩上がり。当面は生産ライン増設ではなく、生産性と歩留まりの向上で需要増に対応していく」(同)。現場の効率性をできるかぎり高める。そうして今年5月、約200億円を投じる熱処理・表面処理設備の増強をようやく決めた。

組織ぐるみの改ざん

10月8日に表面化した神鋼の品質データ改ざん問題。最初に関与がわかった工場の一つが真岡だった。

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