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発電所のアキレス腱 盲点の火山灰リスク 電力の大問題 最終回(第4回)

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地震や津波と比べ、火山の噴火による社会インフラへの影響は見過ごされがちだった。しかし、火山灰がもたらす発電設備への被害は予想外に大きくなる可能性が判明した。

(本誌:岡田広行)
写真:東電FPの川崎火力発電所。天然ガスを燃焼させるため、大量の空気を取り入れている

東京電力(現東京電力ホールディングス)は、富士山が大規模な噴火を起こした際の火山灰によるLNG(液化天然ガス)火力発電所(ガスコンバインドサイクル)への影響が、従来の予想を超えてはるかに大きくなるとの検証結果を2016年3月にまとめた。非公表だったその内容を今回、本誌に初めて明らかにした。

東電は電力中央研究所に降灰シミュレーションの作成を委託。それを基に東京湾岸のLNG火力発電所が被る影響を社内の研究所で試算したところ、冬期には火山灰が敷地内に最大で20センチメートル降り積もり、吸気フィルターが3~15時間で閉塞(目詰まり)してしまうことがわかった。空気の取り入れができないと、発電機の運転を一時停止せざるをえなくなる。

東電はそれ以前、富士山の大噴火時に東京湾岸のLNG火力発電所が被る影響について「2~3割程度の供給力低下にとどまる」と評価していた。14年に経済産業省が設置した検討会でのことだ。

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