東芝を待ち受ける隘路 メモリ事業売却でも
日米韓連合への売却は決まったが、WDの訴訟や独禁法の壁を越えられるのか。
これにて一件落着──とは、残念ながらいかないようだ。
東芝は9月28日、米ファンドのベインキャピタルを軸とする「日米韓連合」への半導体メモリ事業売却契約を締結した。
同連合にはアップル、デルなど米IT企業、半導体大手の韓国SKハイニックスが優先株などで資金を拠出するほか、東芝も3505億円を再出資し40.2%の議決権を持つ。HOYAと合わせて日本勢で議決権50.1%を握る予定だ。
売却先を決めたのは20日の取締役会。「近日中」に契約締結としていたが、「関係者が多く、最終確認に時間がかかった」と関係者は説明する。今後の迅速な意思決定に不安が残った。
ギリギリの交渉
そもそもメモリ事業の売却を打ち出したのは今年の1月末。6月末には日米韓連合を優先交渉先と決めている。にもかかわらず、ここまで時間がかかったのは、メモリ生産で合弁を組む米ウエスタンデジタル(WD)との対立があるからだ。WDは自社の同意なしの合弁持ち分売却について「契約違反」と反対、国際商業会議所(ICC)に売却差し止めを求めている。
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