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急増する機能性表示食品 問われる企業の倫理性

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商品数は2年で800点近くに急増。だが、届け出が撤回されたものもある。

メーカー各社が熱い視線を送る機能性表示食品。カゴメの「トマトジュース」が代表例だ(撮影:今井康一)

「“牛丼=不健康”というイメージを払拭したい」──。

牛丼チェーンなどを運営する吉野家ホールディングスで素材開発を担当する梶原伸子氏は、3月発売の新商品に切実な願いを託した。外食大手で初の機能性表示食品となる「サラシア入り牛丼の具」、略称“サラ牛”だ。

価格は10袋セットで税込み5000円と、1杯380円の店頭商品より高い。冷凍商品だが、店頭に冷凍庫がないため当面は自社通販サイトでのみ扱う。「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」と表示することで、機能性牛丼という新市場の開拓を目指す。

参入障壁低く商品急増

2015年4月に始まった機能性表示食品制度により、メーカーは専門的な研究を踏まえた科学的根拠を消費者庁に届け出れば、健康機能をラベルやパッケージに記載できるようになった。国の審査が必要な特定保健用食品(トクホ)に比べて、開発にかかる期間や費用を圧縮できる。ただし商品の安全性や機能については、企業の自己責任となる(図表1)。

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