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金正男暗殺の意図を金正恩の言葉で読み解く 情報が錯綜する中ではオシントが役に立つ

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金正男死亡は現地マレーシアでも大きく報道されている。だが現段階でわかっているのは、殺人事件があり、被害者は金正男であることだけだ(EPA=時事)

2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄に当たる金正男(キムジョンナム)が殺害された。北朝鮮がこの暗殺に関与したとの見方が主流であるが、そう断定できる証拠は何一つ出てきていない。現時点で確実に言えることは、1.殺人事件があった、2.殺されたのは金正男だ、という2点だけだ。

新聞報道によると実行犯だった2人の女(1人はベトナム旅券、もう1人はインドネシア旅券を所持)は、殺人事件の実行犯に仕立てられていることに気づいていないようだ。今回の暗殺手法について、過去に北朝鮮が取った手法とは異なるという疑念が出ている。

〈韓国に住む元北朝鮮工作員には、事件が「素人の犯行」に映った。凶器や動機は北朝鮮を思わせるが、容疑者の行動が従来の北朝鮮工作員とかけ離れているからだ。元工作員によれば、北朝鮮は重要人物の暗殺を行う場合、数カ月から数年かけて準備する。単なる殺人ではなく、「北朝鮮指導者のための政治的な行動」として位置づけ、実行犯には徹底した思想教育を行う。/(中略)北朝鮮は暗殺に及ぶ場合、確実に殺すために毒薬と毒針など複数の殺害手段を用意し、訓練も繰り返す。犯行の痕跡を消すことにも細心の注意を払う。「国家の犯罪」と認定され、国際的に窮地に陥ることを避けるためだ。毒薬を使うのも、周囲に気づかれにくく、すぐに死亡原因が明らかになることを避けられるからだ。97年に正男氏のいとこ、李韓永(イ ハニョン)氏が殺害されたが、犯人はつかまっていない。/だが、今回は空港の衆人環視のなかで行われ、監視カメラが犯人とみられる人物をとらえていた。/元工作員は「重要な行動を、素人のような他人に任せることは理解できない」と語る。また、「再び犯行現場に舞い戻るなどあり得ない行動だ。簡単に自白することも信じられない」と指摘する。金賢姫(キム ヒョンヒ)元死刑囚は毒薬のアンプルを渡され、犯行が明るみに出た後、実際に服用しようとしたことが知られている。/別の北朝鮮元当局者は「動機からみて北の犯行であることは間違いない。得られる推論は、北がよほど焦っていたか、組織が弱っているかのどちらかだろう」〉(2月17日「朝日新聞デジタル」)

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