反転攻勢のルネサスは巨大連合に勝てるのか リストラ効果で売り上げ縮小でも利益は浮上
構造改革が一巡したルネサスだが、ライバルも相次ぐ買収で巨大化している。
今年1月上旬、米国で開催された家電見本市「CES」。話題をさらったのは、自動車用半導体大手・ルネサスエレクトロニクスが発表した、「完全自動運転」の試作車だった。
試作車は北米のソフト開発会社や大学との共同開発で、米フォード・モーターの高級車「リンカーン」をベースにしたものだ。会場に設置されたテストコースでは信号機や道路標識を認識し、ほかの自動車を避けて走行。実際に客を乗せて、運転手なしで300メートルほどを走り切った。
自動運転は、2016年11月に策定した中期経営計画で、ルネサスが定めた注力分野だ。車の周囲の状況の「認識」から、それに対してどう行動するべきかの「判断」、走る・曲がる・止まるといった「制御」まで、幅広い半導体をすべて自社製品で賄える。この強みを生かしてシェア拡大を狙う目算だ。
昨年9月には、半導体受託製造世界最大手の台湾TSMCと、基幹部品の最先端マイコンを共同開発すると発表。ルネサスは自動車用マイコンで最先端のメーカーだ。「現時点で他社より2年ほど先行している」(大村隆司執行役員常務)が、次世代エコカーや自動運転時代の到来に向けて、他社をさらに引き離す構えだ。17年には共同開発した製品のサンプル出荷を開始し、20年から量産する。
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