再生医療が心臓病治療に革命おこす 大阪大学 澤芳樹教授[INTERVIEW 1]
心筋シートによる再生医療は「ハートシート」からiPS細胞を使う治療法の開発に踏み出している。将来は人工心臓や心臓移植に代わる治療法を目指す。心筋シート開発を先導する澤芳樹大阪大学教授に聞いた。
心筋梗塞をはじめとする心臓疾患は、長い間、がんに次いで日本人の死因の第2位を占め続けている。日本では毎年126万人程度が亡くなるうち約15%、20万人弱が心疾患を死因とする。心臓の細胞には再生能力がほぼないために、一度悪くなってしまうと治療によって状態をよくすることがなかなかできない。
重篤な患者には人工心臓や心臓移植という方法もあるが、移植の待機者数537人(16年10月31日現在、公益社団法人 日本臓器移植ネットワーク)に対し、実際の移植件数は44件(2015年、同)にすぎない。提供数も、ここ10年の間に年間100件を切るようになっており、いつ提供されるかわからない。そのため患者の不安も大きい。待機期間が2年以上となる患者が6割以上もいる。また、人工心臓にも生体適合や長期での血栓などの問題もあり、手術ができたから安心というわけではない。こういった状況を解決するべく開発されたのが、「ハートシート」(製造販売はテルモ)だ。
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