セイコー、シチズン両社のトップに、雲上を目指す対照的な経営戦略を聞く。
グランドセイコーを世界的ブランドに
服部真二 セイコーホールディングス会長兼グループCEO セイコーウオッチ社長

はっとり・しんじ●1984年に精工舎(現セイコークロック・セイコープレシジョン)入社。時計関連を経て2012年から現職。(撮影:今井康一)
クオーツ(水晶振動子)式の腕時計はコモディティ(一般消費財)化してしまったが、機械式腕時計には大きな成長余地が残っている。スイス時計業界が機械式腕時計をブランド製品として押し上げたことによる。
セイコーの機械式時計にとっては大きなチャンスだ。というのも、セイコーは機械式腕時計分野でも技術的にはスイス時計に負けないからだ。クオーツ腕時計が発売される前の時点ですでにスイスの天文台コンクールで上位を獲得している。
クオーツの登場によってセイコーも機械式腕時計を縮小させてしまったが、最近では2014年にスイスのジュネーブで行われた時計グランプリで「小さな針」部門賞を獲得した。国産機械式腕時計として初めての受賞だ。また、クオーツと機械式の両方の技術を使った「スプリングドライブ」はスイス勢にまねができない。生産体制で見ても、セイコーは主要部品をすべて内製しており、設計部門も抱えている。技術的な不安はまったくない。
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