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昭和シェル合併に暗雲 出光で創業家が「反旗」

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石油業界でも起こった“創業家の乱”。拒否権を握る出光家に経営陣はたじろぐ。

あくまで合併に反対する出光昭介名誉会長(円内、07年撮影)。心変わりはありうるか(撮影:今井康一(左)尾形文繁(右))

「(昭和シェル石油との)合併計画を白紙撤回するお考えがあるかお聞かせください」──。

6月28日、グランドハイアット東京(港区)で開かれた、出光興産の定時株主総会。開始から約1時間後、質疑応答で指名された出光昭介氏(88)の代理人が問い詰めると、壇上に並ぶ経営陣の表情はこわばった。昭介氏は出光興産の創業者・出光佐三氏の長男で、1981~93年に第5代社長を務めた人物だ。上場に反対した2001年に名誉会長に退き、経営の第一線から距離を置いていた。

今になって創業家が反対表明をした理由は二つある。

一つは、大家族主義を社是に掲げてきた出光と、七つもの労働組合がある昭和シェルは水と油の企業体質であり、合併に多大な労力がかかること。もう一つは、53年の日章丸事件以来、イランと親密な関係を持つ出光が、サウジアラビア国営石油の資本が入る昭和シェルと合併することは、両国の対立が深まる中、不適当だと認識していることだ。創業家側は取締役10人の再任に反対し、合併計画へ「NO」を突き付けた。

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