首都圏で暮らす人にとって、ラッシュ時の混雑は大きなストレスの一つだ。上野東京ラインなど新路線の開業が話題となる中で、激しい混雑が解消される兆しはなかなか見えない。
大阪圏、名古屋圏で主要区間の平均混雑率が150%を下回るようになった一方、東京圏の混雑率は依然として150%以上と高いままだ(図1)。ピーク時の混雑率が180%を上回る路線は10以上もある。2014年度のデータでは、東京圏で最も混雑するのは東京メトロ東西線の木場─門前仲町間で、混雑率は200%に達する(図2)。
00年に東京圏の鉄道網整備についての基本計画をまとめた運輸政策審議会(当時)の答申第18号では、15年度における東京圏の主な区間のピーク時平均混雑率を150%以下にするとともに、個別の路線においてもピーク時混雑率を180%以下にすることが目標とされていた。達成には程遠い。
増え続ける人口 対応追いつかず
混雑の緩和に向けて鉄道各社は何も手を打たなかったかといえば、そうではない。鉄道の混雑がなかなか緩和されない大きな理由は、東京圏の人口自体が増え続けていることにあるためだ。
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